出でよ寄生虫パラタキソノミスト

講義(まだ来週もある…)、卒論ペン入れ,教務の仕事の残り片づけ。頭が錆びついていて仕事の効率悪し。
共同研究の依頼が一つ来た。寄生虫の同定の仕方を教える程度なら別に共同研究にする必要はないと伝えたのだが,たって依頼された.よくあることだけれど,寄生虫をあまり見たことのない人は(いや、結構見ているはずの人でも)、寄生虫の同定は難しくて素人の手には負えないと思っていることが多い.今回の共同研究の依頼理由も,根っこはそんなところにあるのだろう。しかし、寄生虫の同定は、最初だけ専門家の指導を受ければあとは比較的容易な作業で、私見を言えば河川ベントスの同定なんかよりはるかに楽だ.特定の宿主生物だけを扱うなら出てくる寄生虫の種数は限られているので,それだけ覚えておけば素人でも9割5分は同定できる.であるから、もしこれから寄生虫の研究をしてみたい人があれば,専門家の指導を受けた上で,尻込みせずに自分で種同定にチャレンジしてほしい。欲を言えば、わからない寄生虫に出くわしたら自分で文献を調べてみて,寄生虫分類学の一端にも触れてほしいと思う(それでも本当にわからなければ,その時には専門家に任せればよい).とにかく、難しそうだから分類学者に丸投げという態度は絶対にダメだ.日本で寄生虫分類学者と呼べる人はあまりに限られており、パラタキソノミストの需要は大きい。