訃報:H田さん

H田さんには,昨年6月の琵琶博での研究報告会で,おそらく13年ぶりぐらいにお会いした.その時は全くお元気で,現役時代と変わらぬ矍鑠ぶりとお見受けしたので,突然の訃報に驚いている.
実は,私は長年H田さんに言いたかったことがあり,久し振りに会ってようやくそれを口にすることができた.それは,「あなたは,学生に学位を出す時,いったい何を見ていたのですか?」ということだ.H田さんはすぐに私の言わんとすることの状況をまことに適切に理解してくれた.退職から十数年を経て,頭の回転はまったく衰えていないことがすぐにわかった.
ただ,私はどうしても,瓶の尽くるは維れ罍の(以下自粛)という思いがしてならない.