地竜

というわけで,K出今の講習会に行ってきた.小学生が対象と聞いていたのだが,会場についてみると,親御さんや祖父母とおぼしき年配者の方がたくさんいて(40人ぐらい?)子どもの倍ぐらいいる.幸い,暑さにも負けず子供たちはノリノリだったので,非常にやりやすかった.特にY内君から借りたアオサギの捕食の動画は,大人の方からも「ほう!」という感嘆の声がたくさん出ていた.ハッタミミズの実物を見せる段になると,子供たちが殺到して叫び声で耳も劈けんばかり.男の子はもちろん,女の子も積極的にミミズに触ってくる頼もしさであった.一人の子が「回った方がいいよ」と言うので,ミミズを手に乗せて親御さんたちの席のほうを巡回すると,さすがにお母さんたちはみんな引いていたが,一人のおじいさんがこのミミズについて教えてくれた.それによると,この地域ではこれを「ソコミミズ」と言い(田んぼの深いところにいるから,という理由だそうだ),昔はこれを乾燥したものを煎じて風邪薬にしたらよく効いたということ.漢方でミミズは「地竜」と言い,熱さましに使われるので,きっとそこから得た知識なのだろう.これを聞けただけでも今日の講習会をやった価値は十分にあった.一つ残念だったのは,会場ではミミズが元気すぎて,ぶら下げてもきゅっと縮んでしまったことである.大学へ戻ってからもう一度ミミズを取り出してみたら,大勢の子どもにいじられてさすがにくたばったと見え,40cm以上にまでべろーんと伸びてくれたのだが.