オオサンショウウオ研究会

オオサンショウウオの分布情報などを手に入れるため,三重県N市で行われた上記の研究会に参加した。
前日,道路脇の法面が崩落したため,一つ前のバス停で降りて山道のハイキングコースを1km歩き,会場へ。ここへ来るのは,以前,セルカリアの調査をした時から数えて12年ぶりだ。
研究会では,久しぶりにK大のM井さんに会った。「なんでお前がここに来るんだ?」と言わんばかりにけげんな顔をされたので,経緯を説明した。最初はM井さんによる日本のオオサンショウウオ個体群の遺伝的分化の話。「生きている化石」などと言われる割には,日本のオオサンショウウオは遺伝的変異に乏しいらしい。割合に近い過去にボトルネックを経験しているということか。それならば,寄生虫の方も一緒にボトルネックを通っているわけだろうか。
M井さんの講演の後は,各地で保全に携わっている方々の報告会。今年は動物園の職員の方などによるカエルツボカビ症関連の発表が多い。アメリオオサンショウウオにはすでに感染が見られているという(健康への影響はまだ不明)。コモチカワツボの分散防止もそうだが,もう河川生物の研究者は,一つの川から別の川へ移動する時は,長靴や調査器具,あるいは車のタイヤの消毒を行うということを常識とすべきなのかもしれない。そういう時代になってしまった。