手に論文,足元にスッポン(車中)

今日は福岡でベベの元飼い主,Lさんの結婚式。昨夕,夕方までかかった会議の終了後,ベベを抱えて新幹線に飛び乗った。
行きがけに,昨日届いたばかりの韓国のカワニナの分子系統の論文を読む。
Lee, T., Hong, H.C., Kim, J.J., Foighil, D.(2007) Phylogenetic and taxonomic incongruence involving nuclear and mitochondrial markers in Korean populations of the freshwater snail genus Semisulcospira (Cerithioidea: Pleuroceridae) . Molecular Phylogenetics and Evolution 43 (2), pp. 386-397
私の回りに,日本のカワニナのDNAを調べた人は何人かいるのだが,共通していることは,カワニナのmtDNAは形態種や地理的な遠近をまったく反映しない,解釈不能なぐちゃぐちゃなパターンを示すことである。韓国産カワニナも,一部の種を除き,事情は同じようだ。それどころか,この現象は北米産のPleuroceridaeや中国産Oncomelania(カタヤマガイ)など,淡水の前鰓類全般でも見られるらしい。この論文は,このような現象が見られる原因について,交雑による遺伝子浸透や遺伝子重複などいくつかの仮設を検討しているが,「これだ」というものはまだないようである。どうも,淡水産巻貝の分子進化には何か変なことが起きているようである。分子的にいくら差異がないと言っても,ヤマトカワニナそっくりのゴッチェカワニナと普通のカワニナを同種にするというのはあまりに無謀のような気がするが…。
ともあれ,今日はとても楽しい披露宴だった。特に,Lさんの所属するKQ大の研究室の教授・准教授・講師3名によるチャゲ&飛鳥の熱唱という貴重なものを聞かせていただいた(お三方で一曲,と依頼されて,最初は少年隊の曲も検討していたようである。「だれがヒガシやる?」とか(笑))。ホンマにノリのいい研究室である。
「これ,食べるの?」「新居へのプレゼント?」と散々に言われた披露宴ゲストのベベちゃん(おめかしもさせずにごめんなさい),長旅で現在へろへろになっている。