4月から始まる「人間探究学」の担当者打合せ.丸々半期もかけてどういう導入教育をするのか,こちらの乏しい頭ではアイデア不足だったのだが,1年生の実習を担当しておられる方々からいろいろチエや要求が出てきて,最初の4,5回にやることはだいたい固まってきた.
それにしても,私は単純な導入教育をイメージしていたのだが,皆さん「人間探究」ということを結構真面目に捉えておられたので,かなり焦った.前にも書いたように,私は大学と大学人を非常にネガティブに捉えている人間なので,新入生に対して何かの理想像を語るようなことはとてもできない(もちろん自分の研究の面白さは語れるが,それを他人も面白いと思うかどうか,私の知ったことではない).当たり前だが教員というのは玉石混交で,大学教員になるべくしてなった人もいれば,運だけでなれた人もいる(後者の比率は決して低くない.幸運は一度だけ巡り合えば,あとは通常大学教員がクビになることはない).学生は自分の指導教員を厳しくセレクトする目を養うべきで,ただ「先生々々」と盲従していると人生を棒に振ることさえあるということは肝に銘じておいてほしいと思う.しかし,希望に燃えた新入生にこんなこと吹き込んでいいものやら,悩ましい.でも結局吹き込んじゃうだろうけど(それが問題ありだというなら再来年には「人間探究学」の担当者はずしてください).