このカテゴリー立てるのは久しぶり。
さて、大学にお勤めの方はご承知のように、研究費と言うのは(国立大学の場合)、職階に従って、文部科学省から賜ります。その比率は、今まで私が勤務した所では、おおむね教授:助教授:講師:助手=10:6:4:2ぐらいでした。
しかし、これを大学の学科なり講座なりの中で、どのように配分するかはその大学ごとに違います。ちなみに、私が最初に勤めた所は職階どおり、2番目の所は職階に関わらず公平分けでした(当時)。
さて、研究費を職階に従って差をつけて配分することと、公平に配分することは、どのような長所短所があるのでしょうか?これは、研究費とはいかなるものかと考えることによって整理することが出来ます。
研究費が、実際の必要経費であるというのなら、職階に関わらず、たくさん学生を抱えてたくさん研究をする人が多くもらうべきだ(※過去にどれだけ研究をしたかではなく)ということになります。もしくは、その評価が難しいか、研究よりも教育の比重がうんと大きい大学などで評価自体があまり有意義でない場合、公平分けが無難と言う場合ということもあるでしょう。最も、一般的には職階が上がれば上がるほど雑用が増えて研究時間が減るので、そのハンディは考慮されなければならないでしょう。
一方、研究費は本来報償ではないはずですが、出世モチベーションの材料と見る意見もしばしば聞かれます。「教授になれば研究費がたくさんもらえる」ことを動機に、みなさんに励んでいただこうということです。確かに、私が今まで関与した学部に限って言えば、研究費に上下の差がないと、教授になった場合、給料が一級あがること以外にメリットがほとんどありません。むしろ、教授になると言うことは「私は雑用を引き受けます」と宣言したのとほぼ同義だとも言えます。
さあ、公平な社会と差別化社会と、大学の場合はどちらがいいのでしょうかね。