研究相談の一日

今日は朝から、Bさんと一緒に、水田生物で卒論をやるE君W君との研究計画相談。私は水田をフィールドにした経験はないので、実際の労力がどのくらいになるか今一つぴんと来ないのだが、Bさんのアドバイスで、実際に処理可能なサンプル数などがだいたい出そろった。私はほとんど意見できる幕は無かったのだが、フナの稚魚はプランクトン食かベントス食かという議論になった時、岐阜時代に稚魚の食性を調べたことがあるのを思い出した。ノートを調べてみたら、幸い稚魚体長と胃内容物の記録がいくらかあり、プランクトンもベントスも食べるということがわかった。埋没していたデータが思わぬ形で役に立った格好である。しかし、やはり水田でのサンプリングはいろいろな面で大変そう。
夕方には、前にも来た関西の某私学の学生K君が来室した。卒論をぜひ寄生虫でやってみたい、という熱い希望なので、サンプルが入手しやすく、彼の大学から比較的近距離のフィールドが使えるN. elongatus(アユ虫の同類)のテーマを奨めてみた。感染実験だから作業自体は簡単だが、第二中間宿主である水生昆虫の同定が、近くに専門家がいないと大変かもしれない。でも、この属はアユ虫も含めて生活環が全く判明していないので、きちんと実験室で育て上げたら、もちろん価値ある研究になる。がんばれ。
その後、隣の研究室の院生Aさん来室。論文に載っていた統計のやり方に関する質問である。最初「モデル解析」と聞いたので、ご存知、数学音痴の私はGLMかとビビったのだが、幸い(?)少し古めの論文で、2値の回帰モデル選択の話だったので、まあなんとか私でも理解可能な範囲であった。その文献について決着がついたあと、しばし研究室で雑談。実は、Aさんとは私の最初の勤務大学で同じ講座だったのである。縁は異なもの。
今日の日記は別に忙しさをぼやいているのではなくて、学生とワイワイ研究することこそが教員生活の醍醐味だと思っている。