「汚い」の反対語は「汚くない」

EAFESで知りあいになった九州産業大のY先生(環境工学)から別刷りをいただいた。私たちも寄生虫の調査地にしている那珂川で、住民の意識調査をしたものである。
面白いと思ったのは、ここ20年の間に那珂川のBODは大幅に低下し、それに伴って「那珂川は水が汚い」という回答も直線的に減少してきているのだが、「那珂川は水がきれい」という回答は横ばいのまま、全く増加していないのである。つまり、人が川の水を「汚いー汚くない」と感じる座標軸と、「きれいーきれいでない」と感じる座標軸は違うということである。そして、後者は明らかにBODとは別の尺度を基準にしているようなのだ。「きれい」の基準は何か。面白い課題になりそうである。