牡蠣と台風

今日のゼミのうち一題は農薬負荷に対するカキの遺伝的反応の話。これを”バイオマーカー”にするというのだが、ここでの使い方は私が今まで本などで読んだ生物指標としての使い方とはちょっと違うようだ。私の理解では、特定の薬剤に(きわめて低濃度でも)特異的に反応するような系があれば確かにバイオマーカーたりうると思うのだが、著者は、実際の農薬の使用法に合わせたのか、ミックス薬剤を使って実験している。確かに、複合効果で単独より反応が強く出ることはあるだろうが、それって何を”マーク”していることになるのか、よくわからない。こういう語用法って一般的なんだろうか。ただ、農薬に対するカキの遺伝的反応を調べた、というだけで十分に価値のある研究だと思うけどな。
それから、バイオマーカーとして遺伝子活性を調べるというなら、当然、生理的な鋭敏性や検査のしやすさなどの観点からまず対象生物を選ぶと思うのだが、そういうことは著者は考えていなかったようだ。まず牡蠣ありきらしい。そりゃそうだよね、フランスの論文だもの。
現在、台風は福岡を直撃している。今週末に福岡へ行く予定だったが、川の水位がまだ下がらないだろうから、延期するかもしれない。彦根でも宵の口から雨風がやや強くなり始めた。一時小やみになった隙に自転車で帰宅しようとしたが、いくらも走り始めないうちに、当たると痛いほどの大粒の雨。傘はあったが風でさせない。開き直ってずぶぬれのまま突っ走り(顔にワイパーが欲しかった)、帰宅して風呂に直行。
そういえば、ウチの大学は、江戸時代には内湖だった所に建っているそうで(!)いつ水没してもおかしくない気がする。建物を守るためにグランドの地面を少し低くしてあるそうなので、まずグランドから水没するそうだ。そうなったら、あとでグランドで魚つかみができるかもしれない。