思考実験は急げない

共通テストが終わったので、生物の問題を解いてみました。

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まず思ったのが、「これを1時間で解くの?」ということです。実験やデータ解釈の問題が多いのはよいとして、自分でやったことのない実験の内容を理解するのは本職の私でも時間がかかるものです。しかも共通テストの問題冊子という限られた紙面上で、論文に比べるとずっと限られた情報しか掲載されていません。果たして自分は実験の内容を正しく理解できているのかどうか、不安をかかえたまま解答することになります。考察や実験設計で「不適切なもの」を選ぶような設問に対しては、何パターンものありうる仮説を考え、消去法でどうにも証明不能なものを残すということになるのでかなり時間をとられました。思考実験は悪くはありませんが、大学で生物学を教えている私でさえ、もう少し問題数を減らしてじっくり情報を検討する時間が欲しいなあと思うような試験内容でした。このような問題の作り方に対して、受験生はいったいどのような受験対策をしているのでしょうか、気になります。