今日は学生3人と福井市立自然史博物館へお邪魔しました。今月11日に捕獲されたリュウグウノツカイの標本を作成されるというので、それに立ち会って寄生虫を探させてもらいました。


全長5mを超える大物で、このケースに入っている分だけで約半分(2.5m)です。それなのに心臓は手のひらに収まるほどのサイズ。どうやって尻尾の先まで血液を流しているのでしょう。体側筋の運動も血流と関係があるのでしょうか。


鱗の代わりにエイの皮のようなイボイボがあり、タチウオのような銀色の膜(グアニン?)で覆われています。


手前のオレンジ色は肝臓で、ちょっとあん肝に似ていますが、捕獲から9日間経っているのでドロドロになりかけていました。消化管の配置は摩訶不思議で、食道の一部が肛門をはるかに超えて後ろまで伸び、長い長い盲管を作っています。

博物館のボランティアの皆さんが骨格標本にするために肉を取り除いています。肉は全体的に水っぽく、あまり美味しそうには見えません。硬骨魚ですがホネも全体的に華奢で柔らかく、肉取りは慎重にする必要がありました。口には歯もなくブヨブヨで、プランクトンを鰓で濾過して食べているようです。
この魚は、残念なことに竜宮から寄生虫のお土産は届けてくれませんでしたが、魚そのものが非常に変わっていて面白く、一日楽しく過ごさせていただきました。