@B博物館

B博物館で「新琵琶湖学セミナー」に参加。講師の相方は勿論Gさんで、今年度で定年退職されるので今日がラスト講演である。そのためか、会場の中には鍋爺だのN野さんだの、第一線を退いている大御所の姿もちらほら。
Gさんの話は今までのプロジェクトの成果として上がって来た無脊椎動物のまとめで、特に固有種の可能性があるものについての話。微小甲殻類寄生虫はそもそも分布調査がきわめて不十分なので、琵琶湖から記載された新種があとで他の場所からも見つかるのがザラであり、固有種かどうかを判定するのはなかなか時間がかかる。そこで、琵琶湖だけから見つかっていても、周囲での調査不十分のため固有種かどうか断定しかねるものには「潜在的固有種」という用語があるらしい。多くの寄生虫に使えそうな用語である。
私は本に書いたのとほぼ同じ話をした。講演前に、ブックレットシリーズの発案者であるT副館長がおみえになったので、挨拶をして本の売れ具合についてすこし伺う。副館長執筆のシリーズ第1冊目は増刷が決まったそうである。私のはそこまでいかないかもしれない。もし、第1刷だけで絶版になったら、20年もしたらあなりの珍本になるだろう。
セミナー後はシゲ君の案内で博物館のリニューアル部分の展示を見て回る。バイカル湖の生物たちは、広く深く、貧栄養で冷水という環境に適応しているので、狭い水槽での長期飼育は難しいかと思っていたが、B博では思ったよりいい状態で飼育できているらしい。うまく繁殖させて継代飼育できて、時にはオームリを刺身で食べられたりしたら嬉しい。