千客万来

午前中は卒業生のS君来室、めでたく就職が決まって、なんとまた滋賀へ舞い戻ってくるらしい。今後とも何かと関わることになりそうな塩梅である。
午後は、まず工学部でガラスの研究をしているM先生の研究室を訪問。何の用かというと、わが師匠の発明品である寄生虫の検査の必需品「圧平棒」を作らせてもらいに行ったのである。これは、手作業でやすりで削っても作れないことはないのだが、M先生の研究室にはガラス用のグラインダーがあるので、それを使えれば速かろうと思ったのだ。ところが、こちらが準備したガラス棒の本数が多かったので、グラインダーではなくカッター(丸鋸のような)で切った方が速いという話になり、大学院生の方がその作業をしてくれた。ところでその院生の作業ぶりを見ていると、ガラス棒を台に並べて丁寧にパテで貼り付け、分度器できっちり角度を測ってその台をカッターに取りつけ、要するにさすがは加工のプロという入念な仕事ぶりである。おまけにM先生が度々やってきては「院生いじめるネタができたわ〜」と言わんばかりにちゃちゃを入れるので、彼は気の毒にも緊張で冷や汗びっしょり状態。その上、ガラス棒の切断と言うのは私が思ったよりはるかに時間のかかる作業で、結局彼は5時間もかかって、持参した棒を全部きれいに切断してくれた。いやお疲れさま、本当に助かりました。多分これであと10年は圧平棒には不自由しません。
その後は、この秋に環境生態学科着任予定のK泉先生が来室されたので、事務室や入居予定の研究室にご案内。今後ともよろしくお願いいたします。K泉先生は地球科学が専門で、特に地震活断層の研究がメインなので、時節柄関心を持つ学生もきっと多く、人気の研究室になるかもしれない。さてその後には、夏に隣の学科に着任したH山先生がご来室。なんと、琵琶湖の貝の分布調査を始めたいというご相談である。あれ、H山先生って家畜学が専門じゃなかったっけ?と思いつつもお話を聞く。どうやら、沖縄から来られたH山先生はダイビングがお得意であり、それを活かした研究を琵琶湖でなさりたいらしい。あまり型にはまらない方のようである。潜水調査ならば、もしかするとドレッジでは取りにくい底質上の貝が手に入る可能性があるので、なるべく協力しようと思う。マメシジミなんかの寄生虫も調べられるといいな。