毎晩、風呂に浸かりながら15分以上読書するのを習慣としているが、ここ3日ほどはこれを読んでいる(おかげで気がつくと長湯している)。題材は例の旧石器遺跡捏造事件だが、丁寧な取材により、考古学という学問分野におけるアカデミズムとア
マチュアリズムの関係について辿っており、その点でとても考えさせられることが多い。私のような立場であると、ア
マチュアの研究家が自分で論文を書けるように教育することは良いことであるとなんの疑いもなく考えてしまいがちだが、ア
マチュア側にとっては必ずしもそうではない場合もあるらしい(もっとも、ア
マチュアがそのままで学会で認められたいという欲求にプロが安易(?)に乗ってしまった場合、どういう顛末になるかは本書を見てほしい)。そういう時、アマとプロが研究上の役割をどう分担し、ア
マチュアの果たす役割をどのように評価すべきか、ケースバイケースだとは思うが難しい問題を含んでいる。