セクハラ・アカハラを受けたと感じたら?

3年前(2011年10月)に書いた記事ですが、再掲載します。

いろいろ思うところあるので、私の経験上こうすべきと思うことをまとめておく。
1.まず他の人に話そう。
これが結構難しい。特に、心理的・実際的なダメージがあると、ちょっとしたことでも数ヶ月間も人に話せないことはザラである。それに、ハラスメントをする側は、気弱そうな人間を特にターゲットにするものだ。だが、一人で抱え込んでいては問題は何も解決せず、事態の悪化を招くだけである。ハラスメントを受けたと感じたら、出来るだけ早く、仲の良い友達などに話すこと。意外と「私もされた」「私も」となって、仲間ができるかもしれない。
2.できるだけ証拠を残せ。
いくらハラスメントが事実であっても、一人の証言では世の中は残念ながら信用してくれない。それどころか、あなたの訴えがねじ曲げられて、かえってあなたが不利な立場に追い込まれることさえある(これは私もいやというほど経験がある)。事実を第三者に客観的に訴えられるよう、あらゆる手段を駆使してデータを取ろう。そしてマスターデータは絶対に他人の手に渡さないこと。
なお、刑法の「名誉棄損罪」の条項には、公務員の場合、そのしたことが「真実であることを証明」できる場合には、公にしても罰せられないとある。公務員たるもの、そもそも公にできないようなことはしてはいけないのが建前というわけだ。国公立大学の教員はみなし公務員なので、そいつのやったことの事実性が証明できる場合には、公にしてもに名誉棄損にはならないことになる(ネット上に公開しても良い訳だ)。大学側にもみ消されそうになった場合など、このことは覚えておいた方がよいだろう。
3.集団で動け。
もし訴訟などの事態になれば弁護士との相談も必要となり、お金もエネルギーも必要になってくる。ハラスメントによるダメージを受けた人は、このような活動をする元気など残っていないことも多い。とにかく仲間をつくって、集団でことを運ぶようにしよう。
4.(これはあまり言いたくないが)大学を過度に信用するな。
残念ながら、大学(に限ったことではないが、組織というもの)はたいてい、組織>>>個人の権利である。業績もあり、研究費もたくさん持っている教授をクビにするのと、何百といる学生の一人を退学させたり、任期付き職員の再契約を拒んだりするのと、どちらが大学の看板にとってダメージが大きいか、言わずもがなだ。大学内部でのハラスメント処分はどうしても甘くなりがちだし、完全にもみ消される場合だってある。もし刑事事件として立件出来そうな事例(強制わいせつ、脅迫、強要、暴行、職権濫用など。未遂でも立件できる犯罪もある)なら警察に被害届を出した方がよいし、その他の法で処分できそうな場合(ストーカーや盗撮など)も然りである。最終的には第三者のもとで裁かないと公正な処分は下されない、ということは念頭に置いておいた方がよい。
5.訴えはなるべく口頭ではなく、文面で。
あなたの訴えがねじ曲げられないように、訴えや要求は文面(対面で行う場合でも、持参する)で行った方がよい。もちろんコピーをとって保管しておくこと。