今日の実習は先週採集した川虫の同定である。今年は早瀬のポイントが多かったために作業に時間がかかるかと思っていたが、ほとんどの班が今日一日で同定を終えてしまった.昨年よりだいぶ早いペースである。昨年より夏の出水が小規模だったために大型の昆虫の出現率が高く、観察が楽だったこと、こちらが出現種の検討がつくようになったので指導がスムーズになったこと、TAのWさんが同定指導の戦力になってくれたことの3つの理由によるものだろう。

ヒメヒラタカゲロウ終齢幼虫の雌雄。今時分に終齢の幼虫は来年の春までこのまま待つのだろうか、それともこの秋のうちに羽化してしまうのだろうか.


今年初めて出現したカワムラナガレトビケラ。今年はカミムラカワゲラやブユなど渓流生の種類もぼちぼち採れた。ただし、実習場所(大学の近く)は山地渓流ではなく中流部なので河道変動が激しく、大雨が降ると流路がしょっちゅう変わる。おそらくそのせいで、水質や見た目の環境の良好さとはうらはらに、水生昆虫の多様性は高くない。トビケラ、カワゲラ、カゲロウのすべてにおいて、優占的な種はせいぜい2〜3種しかいないのである。過去には、ヒゲナガカワトビケラ以外にほとんど何もいないような時期もあった。

先週、野外実習で活躍したD満先生作の底質粒度早見表.砂以下の所には、実際にその粒径のものを接着剤で貼り付けてある。これは理科の授業で小中学生に使わせてもよさそう。