カモ・ディベート・ニナ

朝、例の場所でまたカルガモが3羽トラップされているのを発見し、偶々研究室にいたO坂先生と学生の一人と一緒に救出に向かった、しかし、再度の現場にはなぜかもうヒナの姿はなく、周囲を探してみるとO坂先生が田んぼ横の水路を悠然と泳ぐ親子連れを発見した。いつの間にか側溝からの脱出方法を編み出したのかしら。
カモ騒動のあとはダッシュで演習室に走り、第2回目のディベート大会開始。今日のお題は「日本は一般食品の放射性セシウム基準値をEU並に緩和すべきである」。しかし、今日はどちらの班も相手の論理の弱点を追求することが不十分で反駁がうまくできていなかったのと、論点が風評被害の問題に集中指定しまい、基準値緩和によって生じうる最大の問題点であるはずの健康被害の有無についての論証がまったくできていなかったので、私的にはかなり不満足だった。もう少し「理系らしく」論題の分析をしてほしかったと思う。
午後は淡水生物コレクターの方が、琵琶湖で採れた謎のカワニナを持参された。写真で見ると胎貝はハベに近いが成殻の彫刻はややカゴメに似ている。これがまとまった集団であったとしても、独立種か共通祖先か(ハベとカゴメはごく近縁である)はたまた雑種個体群かエコタイプか、位置づけは容易ではない。というか、現在のところ湖産カワニナ類の"種"の良い遺伝子マーカーが発見されていないので、1年や2年の研究ではおそらく位置づけ不能だ。貴重な標本はいただいたものの、さてどうしたものか。核型観察でも少し試してみようかな。