三日会わざれば

卒論生のM田さんが魚類の胃内容調査を始めた。半消化状態の胃内容アイテムの同定練習をしていると、M田さんが「中に死んだ条虫みたいなものがあるんですけれど」と言う。実体顕微鏡をのぞいてみると、ただの丸い塊が転がっているだけ。条虫かどうかは頭節の額嘴の存在を確認する必要があるので生物顕微鏡に移して観察してみると,ドンピシャリ,六鉤幼虫からメロセルコイドになりかけの幼虫の死骸であった。卒論に着手して三ヶ月、実体顕微鏡だけで動かない寄生虫の死骸を同定できるようになったとはお見逸れした。女子三日会わざれば刮目して見よ。