寄生虫学会へ

生態学会が終わって、今日は寄生虫学会のサテライトミーティングで神戸へ。行きがけに大津でパスポートの申請をし、大阪のサイクルショップでヘルメットを購入。
形態分類談話会は気鋭のヒル研究者K大のN野さん。環形動物の上位分類はずいぶん根本的に変わってしまうらしい。ハオリムシとユムシはともかく、ホシムシまで多毛類の一員だというのは驚き。
生態疫学談話会はおなじみのT山大のY畑さんと初顔のT医科大のH田先生。Y畑さんは私の顔を見るなり「そういえば、Gさん(Y畑さんの卒業生で、今月ウチの大学で学位取得した院生)は何の研究をやったの?」と聞いてきた。よく事情を聞いてみると、彼女はY畑さんに学位取得の報告をしてきたものの、学位記の写真だけを送ってきて肝心のD論を送ってこなかったらしい。オイ…。
Y畑さんの講演は、寄生虫学会ではまだなじみの薄いGLMを利用した感染強度解析について(笑うなかれ、寄生虫学会では生態学的な手法は本当に浸透していないのだ)。渡航者医療センターに勤務されるH田先生は海外滞在者のかかる感染症についての非常に実際的な現状報告。旅行中の人に対する診療、またはこれから海外に出る人の健康指導を専門にするトラベルクリニックは日本全国で13ヶ所しかないそう。また、日本から途上国へ旅行する際に、トラベルクリニック等で前もって現地での感染症防止などの健康指導を受ける人は2%に過ぎないという(ヨーロッパでは50%超、アメリカでも30%以上が健康指導を受けている)。生態学をやる大学院生などは途上国の、それも農村部へ出かけることが多いので、そういう時は前もって健康指導や予防接種を受けるよう、安全指導の一環として指導した方がよいと思う。特に、学生だけで旅行する時は十分注意しておくべきだろう。
そして恒例の100本の会。今日は彦根まで帰るので早めに退席させてもらったが、小さなお店だったので、多分あのメンバーなら店の酒類なくなるまで飲んでしまうのではなかろうか。首尾は明日聞くことにしよう。
日本渡航医学会推奨のトラベルクリニック一覧 → http://www.travelmed.gr.jp/travel_clinic/travel_clinic.html