教職課程に関する会議。そこで、この春に文科省からの「事務連絡」で通達された事項に関する若干の意見交換があった.
文科省の事務連絡とは,教職課程のうち,いわゆる「教科専門科目」において、そのうち複数学科の共通履修科目として定められているものは半数までとする、というもの。従来は、複数学科共通科目であっても、学科の専門科目として認められているものであればOKという解釈だったのが,アウトになったということだ。新解釈でいくと、ウチの大学ではかなりの学科の教職課程がこのままでは認められなくなる.特に,環境生態学科と生物資源管理学科では、理科の必修科目である物化生地の基礎講義と実験がすべて共通開講であるため、この「事務連絡」での指示にモロに抵触する。もっとも、「事務連絡」ではいつまでに改善しろという指示はないので、すぐにウチの教職課程がなくなるという訳ではなく、時間をかけて対応策を検討していけばよいだけの話である.
このような連絡が出されたのは,一部の大学の学科で,その学科の教育理念とはかけ離れた種類の教員免許が取得可能な状況になっているというのがその理由である(例えば経営学科で保健体育の教員免許が取得できる所がある)。しかし、実際のところは,この日の報道と同じで,教員免許は,基本的に教員養成系大学でしか取得できない方向へ持っていくことだろう.教員の質的向上がやかましく言われる現在,教職コースの設置や教員免許の取得に必要な単位数そのものまでが厳しくなるのはある意味やむを得ないことである。しかし、ウチの教職課程にも存在意義はある。高等学校「農業」「工業」や、養護教諭栄養教諭の免許は県内の教員養成系大学では取得できないし,特に「農業」は多分県内でウチが唯一の存在である。一次・二次産業が主体の滋賀県で、農業高校や工業高校の教員が自前で養成できないという事態はどう考えてもおかしいだろう.教員養成というのは未来への投資なので,いくらその職に就く絶対人数が少ないといっても,必要性がある限り絶対になくしてはならないが、ウチの管理職さんたちはどういう方針を考えているのだろうか。