ブリスベン1日目

ブリスベン到着。噂の厳しいオーストラリア検疫の申し出表をみると「加熱非加熱を問わず食品の持ち込み」「生物の体、標本などの持ち込み(Cさんに見せる永久標本を持ってきた)」「この一ヶ月以内にオーストラリア国外で農村の動物などに触れたか、淡水域に行った」の3つが該当する(ちなみに、3つ目の項目の日本語版入国カードには、「淡水域に行ったかどうか」という項目がなかった。ちょいと片手落ち)。検疫の申告は通常は面倒なものだろうが、私としてはこの国がどのように検疫体制を敷いているかを見るまたとないチャンスなので、面倒ながらちょっと楽しみでもあった。
食べ物は、生ものや乳製品、卵製品、蜂蜜(ふそ病防止?)などが持ち込み禁止で、これには引っかからなかった。次に「淡水域」。これは、フィールドで濡れたものなどを持ち込んでいないかどうか聞かれた(多分カエルツボカビその他水生病原体の侵入防止)。もし釣り道具や胴長を持ち込む場合には、水や泥が付着しているとアウトらしい。最後に一番問題ありげな寄生虫標本であるが、70%以上のアルコールで固定してあるかどうか尋ねられ、それは問題ないというと「今度からは内容が判る書類を添付するように」と注意されて放免された。食べ物や木製品の持ち込みはすべて申請するので、ほとんどの入国者が検疫報告の列に並んでいる点、人もまばらな日本の検疫とは全く違う。
ホテルに荷物を下ろした後、寝不足ではあるが、今日が今回の旅行で唯一の完全フリータイムであるため、ただちに郊外のBrisbane Forest Parkに向かった。バスで30分もすると、一応保護区になっている森林公園のメインゲート到着である。ビジターセンターへ寄って(ちょっとした動物園があって、カモノハシもいた)、地図を入手し、鳥図鑑を購入してから双近くの貯水池周辺のトレイルウォークへ。
今は初春なので、ちょうど鳥類は繁殖期の初めである。小鳥の多様性はかなり高く、次から次へと目新しいものが出てきて(しかも、亜熱帯だけあって派手なものが多い)忙しいほどに楽しい。図鑑を見ると、ハチクイやミソサザイ類などが多いようだ。

この水辺は自然湖沼ではなく小さなダム湖なのだが、水草が豊富で移行帯も美しい。ということはあまり水位変動がないのだろう。ブリスベン近郊は万年水不足だと聞いているが、ここは自然保護区内なので水利用していないのだろうか?