研究

有明海の恵み(?)

卒論生のW君に手伝ってもらって九州から送られてきたナマズを剖検。ロシアの研究者から入手を頼まれたムシなのだが、琵琶湖の周辺には絶対にいない(中間宿主が汽水生)種類なので他地域を当たらなくてはならなかったのだ。ムシが採れそうな地域は限られてい…

失速

長い間ほったらかしになっている投稿原稿を再度なんとかすべく、関連文献(寄生虫生理学)を再び集めて読み始める。蠕虫の生理学的研究の論文は今でも1960〜80年代がメインで、1990年代以降はめぼしいものがない。つまり分子遺伝学的手法が一般的になってか…

最近の成果

速報が一つ、短めの英語論文が一つ、それぞれ国内誌への掲載が決まって印刷に入りました。 速報は、名城大学4年のHさんが卒論研究の最中に発見したもので、琵琶湖以外のカワヒバリガイからの初の腹口吸虫の発見記録です(次号の「矢作川研究」に掲載予定)…

挟みムシ

今日は大学に新しく入ったSEM用の蛍光X線装置の説明会があったので出席。すぐに使う予定はないけれど、コレを使えば寄生虫のどこの組織にどんな種類の重金属が蓄積しているか、サッとわかりそう。いずれやってみたい。 久しぶりにSEMの映像なんかをみて、そ…

前向け前

寄生虫館から標本を送っていただいたので早速検鏡。ふれあい科学館から依託されたムシと同種と思われるヤツだ。O館長の話によると「標本のできがよくないので」細かい分類学的研究には供されずに置いてあったものということだが、標本を検鏡してみてその理由…

ビバ共同研究者

ロシアのSさんから論文草稿が送られてきた。仕事早い!そして、「ひょっとしたら固有種かも…」と思っていた琵琶湖産標本は残念ながら固有ではなさそう。形態的には琵琶湖産とロシア産が同種(または近縁)で、中国のが分かれるかと思っていたら,遺伝子では…

公開

琵琶湖固有カワニナ類の分子系統論文、Evolution Letters誌でオンライン公開されました。

腹口類の季節

晩秋はカワヒバリ腹口類の調査シーズンでもあり、そろそろ定期採集に行きたいところなのだが,昨日も今日もU川の水位が高く採集困難なので、おあずけ。その一方で,今日は他大学の学生さんが自分の調査地で発見した腹口類の標本を持参してきてくれた。写真は…

学祭休み万歳

やっと一本自力投稿。もう1年半も前にほぼ原稿は完成していたヤツなのだが、改めて見直してみるとあれこれボロが見つかり(まあ、もともと他人の褌での相撲なので、かなりのエイヤっと解析ではある)、この学祭休み中に集中的に修正作業をしてようやく投稿に…

一里塚

共著者から琵琶湖固有カワニナの分子系統論文が受理されたという報告が来ました。まったく、私の今年のpublicationはどれも共著者様々です。今度は自分で投稿しないと。 Miura et al. Recent lake expansion triggered the adaptive radiation of freshwater…

公開

昨晩,共著者から投稿論文が公開されたという連絡が来ました。受理からちょうど一ヶ月で、嬉しいことにマイ誕生日公開となりました。 www.cambridge.org ATMにて A君がお金を振り込む必要があったのでゆうちょATMでの振込を手伝いに行った。ところが英語ガイ…

6年目の引用

Diplostomoidea(ディプロストマ上科)の分子系統の論文が昨年出ていたようで、BB君らのハンザキ虫論文(Baba et al. Parasitology International 60: 181-192)をメタ解析でがっつり引用してくれた。 link.springer.com 私としてはこの論文で二生類の系統分…

受理は嬉しい

ロシアの共同研究者から受理通知が来ました。Hemiurus上科の分子系統の論文です。 Sokolov S. G., Atopkin D. M., Urabe M., Gordeev I. I. Phylogenetic analysis of the superfamily Hemiuroidea (Platyhelminthes, Neodermata: Trematoda) based on parti…

Mさんの卒論で、久しぶりにコモチカワツボ侵入域の「その後」調査をやることにしました。今日はM市、滋賀で最初にカワツボが見つかった場所で、私の一番古いカワツボ調査地でもありますが、ちゃんと調査するのは13年ぶりになります。M市はホタルを保護する条…

遺伝的距離が同種と異種のボーダーラインぐらいで、明確な形態的差異なし。種内変異の幅不明。よくある状況かもしれないけれど、新種を立てるべきかどうか悩ましい…。

内部寄生ミミズが謎過ぎる…なんだこいつ…(困惑)

内部寄生性ミミズ(こんなのがいるんです)のPCRがなかなかうまく行かなかったが、取り敢えず一通りの作業は終わったので一端締め、再びマレーシアのムシにとりかかる。こっちはうまく標本もでき、塩基配列もとれそうなので問題なし。新種でもなさそうなので…

2017年10月のNATURE, コモチカワツボの殻形態変異に関するエピジェネティクスの発見の論文。私のD論はカワニナの殻形態の可塑性がテーマだったので、久しぶりに関心を引き起こされた。 コモチカワツボに限らず、大抵の巻貝は流速や波あたりの大きいところで…

新4回生に読ませる論文を渉猟。久しぶりにコモチカワツボ関連の論文を見るが,ここ数年で遺伝子の研究がものすごく増えていて、完全にモデル生物のような状態になっている。小さくてクローン繁殖するし、巻貝の中ではダントツでモデル生物向きの種だとは思…

ある吸虫の記載論文を取り寄せて読んでいたら,「生きているムシでは両側に長く伸びた体をチョウの羽のように羽ばたかせる」という記載があった。何それ見たい。

受理から半年近くたって、ようやく水質指標生物の教育効果に関する論文が印刷されました。 浦部美佐子・石川俊之・片野 泉・石田裕子・野崎健太郎・吉冨友恭 (2018) 大学生アンケートによる水質指標生物の教育効果の検討。陸水学雑誌79: 1-18 福岡教育大時代…

アカミミガメの寄生虫を原産地のそれと照合したいと思い、原産地の非常にアクティブな寄生虫研究者に問い合わせのメールを書いたら、カメの寄生虫に留まらず「日本の寄生虫のあれも調べて,これも調べて」と連日矢継ぎ早に調査希望のメールが来る。そんな殺…

偉大すぎる先達

今調べている寄生虫の原記載者は越智シゲルという方で、1930年代に寄生虫の記載と生活史研究についてすぐれた研究業績を残している。所属は神戸船員病並熱帯医学研究所で、所長は日本住血吸虫の発見者として有名な桂田富士郎である。越智シゲルの寄生虫に関…

卒業生の残していった標本の再同定をやっていたら、確実に西日本初記録のヤツが出てきた。しかも、野生動物疫学的にちょっとヤバい種である。これ、早く報告した方がよいかも…(汗)

今日は学生3人と福井市立自然史博物館へお邪魔しました。今月11日に捕獲されたリュウグウノツカイの標本を作成されるというので、それに立ち会って寄生虫を探させてもらいました。 全長5mを超える大物で、このケースに入っている分だけで約半分(2.5m)です。…

昨晩おろしや国の共同研究者からメールが来て、夏に私が送ったサンプルを含めた解析結果が出たとのこと。(よくある話ではあるが)今まで立てられていた科のかなりの部分が再編成されることになるようだ。上位分類群の記載は古文書漁りが必要なので共同研究…

夏から琵琶湖水系からの寄生虫記録の収集作業に追われていたのだが、今日で一応の完了(というか、打ち切り)。滋賀県の陸水域に生息する,またはその可能性のある吸虫の種数は最低97種(同定ミスの疑いが強い記録を入れるともう少し多い),外来種や海産種…

横川吸虫ってヨーロッパからも結構報告があるのね、知らなかった。遺伝的な研究はされていないようなので、99%日本のとは別種だろうけれど。

寄生虫の学名の後に続けて「○○○ MS」と書いてあって、命名者に敬称をつけるなんて変だなあ、と思ったのだが,最後まで読んでみたら命名者ではなく、標本を採取して同定を依頼した人(女性)だった。著者は紳士なのかもしれないが、紛らわしいことをしないで…

ロシアの研究者から頼まれて,京大にある100年以上前の魚類寄生虫の標本を閲覧しに総合博物館へ出向いた。標本リストには確かにその寄生虫の学名があり、原記載者(川村多実二大先生)が自ら残した標本であることも確かなので,現存していればタイプ標本の第…