解剖バサミ出番なし

今日もO先生から検体をご提供いただきました。標準体長60cm、体重5キロの巨大ゴイです。鱗で年齢を見てみたところ5〜6歳という判定でした。産卵期の今、メスのコイはお墓がぱんぱんに膨れてものすごい太さになっています。このような大型コイともなると、エラの鰓弓骨を切るのでさえ解剖バサミが使えず、料理バサミの出番になりました。

 

大車輪

学会から帰って早速ドタバタの一日。まずは昨年末に船便でロシアに発送した寄生虫標本(形態観察用)が、昨今のご時世のため引受停止となり送り返されてきた。相手先に「戻ってきちゃったけれどどうする?」と問い合わせると「うーん、ちょっと考えさせて…」という返事。

午後はFW、第2クール最終回でプレゼンテーションの日。ところが授業の最中にメールが入り、隣の学科のO先生から「コイ取れたけれどいる?」という問い合わせ。コイと言えばコイフタゴムシの補足データを取りたいので、受け取りの返事をした。フタゴムシは生きたまま観察する必要があるため今日中に解剖をしたいところである。それで、FWが終わってから必要な道具を入手するためアヤハディオへ走り、大学へとんぼ返りして午後8時から解剖。残念ながらフタゴムシはいなかったが、残りの魚体を研究生Eさんのサンプル用にもらう。後片付けまですべて終わって大学を後にしたのが11時。流石に疲れたので明日はちょっと遅出しようと思う。

critically engangered

私の発表は学会最終日の最後から2番目で、お題は最近貝マニアの方々が見つけたマメタニシ類の寄生虫。マメタニシは肝吸虫を始めとしていくつかの人体寄生虫の中間宿主になっていて、医学寄生虫学の教科書には必ず出ている。その一方で、今やマメタニシ(ホンマメタニシ)は絶滅危惧1A類で、その他の種類もすべてレッドリスト入りするほと個体数が減少している。こうなったのは別に最近の話ではないようで、実は日本のマメタニシの寄生虫の記録は1960年代、ヒメマルマメタニシは1930年代を最後に存在していない。それほど、肝吸虫のセルカリアは見つけにくいものになってしまっているのである。私の今回の検査でも、当然ながら肝吸虫は出てこなかった。ところで発表後に複数の人から「肝吸虫って、もう絶滅したと思う?」と聴かれた。人体症例にについては文献を集めていなかったが、どうもそちらから見ても絶滅寸前らしい(ネットでざっと調べたところ2011年の症例があったが、それより新しいのは見つけられていない)。ということは肝吸虫レッドリスト入りしなければいけないはずだが、どうなのかな。

学会初日

昨日は自由集会、そして今日は寄生虫学会本会の1日目。自由集会は対面とオンラインがだいたい半々程度のハイブリッド形式になった。私はZoomで2つの自由集会のホストを務めることになっていたので早めに会場入りしたのだが、間抜けなことに持参したMacbookとアダプタのインターフェースが合わず、あちゃー、これは誰かのパソコンを借りないと駄目か?と青くなっていたら、あとから来た寄生虫博のK先生が「アダプタ?ぼく持ってるよ」とマルチアダプタを2つも出してくれた。おまけに会場のフリーWifiが1時間ごとに自動接続解除する設定になっており、講演中にホストが落ちたら困るなあと呟くと、またもK先生が「Wifi?ぼく持ってるよ」とポケットWifiを取り出した。K先生の正体はドラえもんかと思いつつ、必要なものを全部借りて無事にハイブリッド自由集会開始。生態疫学談話会は、宮崎のT先生によるヒト肝蛭症の最新の話題、および北大院生のH氏によるサケ科魚類のサルミンコーラの生態の話。どちら「そんなことがあるの?」と驚く知見を含んでいで、よくわかっているつもりの事もまだまだ新知見が出てくるものなのだな、と改めて感心。自由集会後、恒例の「百本会」はコロナ下なので開催せず、少人数のグループに分散して解散。若い人たちのグループに入れてもらった。この自由集会も、医学寄生虫学以外の研究室から若い人たちがたくさん参加してくれるようになったのは本当に嬉しく、コロナ対策万全のお店(席の間に十分なディスタンス)で久しぶりに楽しい話をいろいろ聞かせてもらった。

久々の対面学会へ

青丹6つと擦り傷3つをくっつけて、今日から帯広出張。明日の午後から寄生虫学会とそのサテライトミーティングである。本年度もハイブリッド開催だが、昨年と違って今年は現地参加の人が大部分という話である、私もリアルで大会に参加するのは3年ぶりだ。今日は早朝に滋賀を発って午後3時頃にホテルに付いたので、日が傾くまでは院生TさんJさんと一緒に近くの庭園を散策して花や緑を楽しんだ。思ったより野鳥が多く、キビタキ、エゾムシクイ、ノジコ等がかなり近くまで来てさえずっていたので、返す返すもネオ一眼を持ってこなかったことが悔やまれた(Tさんは250ミリコンデジ持参)。北海道は春の気持ちの良い季節であるが、晴天は今日だけで、明日からは雨の予報なのでちょっとがっかり。

青丹増殖中

先週こしらえた青丹5つはまだ健在だが、今日また自転車でコケて青丹1つ+擦り傷2箇所を増やしてしまった。満身創痍。絆創膏を切らしたので景品でもらったキズパッドというのを貼ってみたが、なかなかフィット感が良い感じ。4,5日は貼りっぱなしで良いらしい(値段を見たら少々高めだったけれど)。