連休最後の日

三連休最後の今日は、卒論生の一人M君の初サンプリングで、釣り船を一日チャーターしてビワマス釣りに行ってきました。ビワマスは沖の魚なので、この時期は岸からの投網や釣りでは採集することができません。もっとも手っ取り早いのは漁師さんからの購入ですが、それだけではつまらないので一度は自分たちで釣りに行ってみようと思いました。M君の他、釣りの好きな学生7人を誘って一日湖上です。幸い、今日は一日穏やかな凪に恵まれました。

ビワマスは水温躍層の下、だいたい15m以深の冷水層にいます。そこで、船の後部に竿を数本取り付け、ラインを100mぐらい伸ばして、仕掛けが15〜25mぐらいの深さになるよう調節してトローリングします。人が竿を手にするのは最後に引き上げるときだけですが、やはり上手に寄せないと針を外して逃げられてしまうようです。今春はビワマスの釣果がよくないそうで、今日も5尾しか上がりませんでしたが(多分、雪が多かったので深水層がまだかなり冷たいためではないかと思います)、チャレンジした学生たちにはそれなりに楽しんでもらえたようです。

あとは明日の内臓検査で、目的の寄生虫が出れば万々歳です。

 

休日仕事

今日は研究室でちょっと論文をいじっていたら、隣の研究室の卒論生が「フナを取ってきたんですけれど、いりますか?」とやってきた。ありがたくフタゴムシを探させてもらい、行きたムシを生体染色してしばらく顕微鏡下で観察してみたが、消化管観察の突破口はまだ見いだせない。昔の研究者はどうやってあんな図を描けたのか、謎は深まるばかり。

夕方はオンラインでフィリピンとの二国間共同研究の打ち合わせ。チームの中にはフィリピンのセルカリアや両生爬虫類の研究歴のある学生もおり、心強い。2年間のプロジェクトだが、結構捗るかもしれないと期待する。

明日があるさ

連休の中日はひたすら事務仕事。あちこちからのメールと電話を打ち返し、くだらない自己点検表なるもの(何の意味もないのだが、これを出さないと研究費が削られるという懲罰が下される)を適当に作り、会議の準備をして講義連絡をしたら一日終わり。ゆっくり研究に没頭するのは明日があるからいいやね。

動かすところも見たかった

GWが始まりました。天気が良いので午前中は中山道をゆるゆるサイクリングして、以前、一度だけ来たことがある近江上布伝統産業会館を見に行きました。以前来た時は古いビルだったのですが、改装したレトロな郵便局の建物に引っ越してすっかりきれいになり、二階には機織り体験やワークショップのできる広いスペースが設けられていました。私はかなり不器用なのでちょっとやる気は起こらないですが、これだけ織機がたくさん並んでいるのを見るだけでも楽しいものです。

 

S沼へ

今日は水産試験場が近くの沼で外来魚駆除をするというので、研究生Eさんや隣の研究室の卒論生K君の研究用魚のサンプルを分与してもらいに行きました。ちょっとですが久しぶりの外行きです。

ショッカーボートで外来魚駆除作業を行なう水試の職員の皆さん。ここでの駆除作業はもう10年行っているそうで、その甲斐あってか、見たところバス・ギルはあまり上がっていないようでした。最近はカムルチーの方が増えているそうです。

作業場所は彦根地ビール醸造所のすぐ横でした。この醸造所はウチの大学が全面的に協力してできたもので、オリジナルのクラフトビールを販売しています。私はビールはまったく飲めないのですが,せっかくここまで来たので研究室の学生へのお土産に3本購入しました。

(追記:左側に少しだけ写っている青い麦畑は、ビール麦だそうです。今年は現地栽培した麦とホップからビールを作るイベントがあるとのこと)。

帰学後にはウチのメンバーは寄生虫検査です。フナからフタゴムシが数ペア取れたので,宿題になっている内部構造の観察をしました。あれこれ工夫をしてみたものの、やはり難しいです。本当に昔の研究者はアレが見えていたのでしょうか?

 

里子が来ました

「川いい会」のIさんがフィールドでちびスッポンを保護されたというので、里子にもらいました(Iさんは子ガメを保護した場合、普段は少し大きくなるまで育ててから採集場所にリリースしているそうです)。甲長約3センチ、体重4.5gでした。カメ研究者のNさんのお話では、昨年の遅めの時期に孵化して、ほとんど成長しないまま越冬した個体だろうとのことです。

Iさんのお宅で一週間ほど面倒を見てもらっている間相当人馴れしたようで、ウチの水槽に入れたあとも1時間ほどで顔を出してあたりを伺うようになっていました(臆病な個体だと2、3日は砂の中から出てきません)。最初なので餌として環濠でとってきた生きたヌマエビを入れてやりましたが、この分だとすぐにペレットを食べてくれそうです。

 

論文指導(ただしフライング)

FWの準備の合間を縫って、条虫論文の共著者(というか、彼が種類を知りたいと持ち込んだ条虫を調べたら国内初記録種だったのがそもそもの始まり)の学部3回生と打ち合わせ。次々号の雑誌に掲載されることを目指してスケジュールを確認し、それまでに彼に書ける所はできるだけ書いてもらうよう、時間をとることにした。この種類は海外では結構古くから研究されていて関連論文が多いことがわかったので、こっちは文献渉猟を頑張ることにする。