来週の金曜日が休講(推薦入試の前日につき試験会場は一般学生の立ち入り禁止となるため)と気がついて狂喜乱舞するm-urabe。今週と来週は授業が立て込んでいて準備が大変なので、1回休みの恩恵は大きい。
良い本見つけた
来週から「環境研究倫理特論」の担当回が始まる。私はアカハラについての話をするのだが、当事者になったことはあるとはいえ、勿論その専門家ではないのでそれなりに勉強する必要がある。ハラスメントに関する本はいくらか読んでいるが、著者が弁護士の場合とカウンセラーの場合では問題に対するアプローチが違い,いわばどちらもハラスメント問題の一面だけを扱っているため(もちろん、その一面に対しては専門的である)、「1冊で良い本」にはあまり出会ったことがないのが実情であった。実際のハラスメント相談に持ち込まれる相談内容でも、犯罪に該当しそうな行為、メンタルな病気や労働問題など、より専門的な機関で相談した方がよいと思われるケースはよくあり、相談員にはその種の相談を見極めて適切な部署へ繋ぐ力量が必要となる。しかし、大学での一般のハラスメント相談員の職掌範囲やその限界についてきちんと説明している本は今まで記憶になく、この本が初めてである。文章も読みやすく、引用データもしっかりしていて、ハラスメント研修のテキストとしてとても優れているという印象を受けた。相談員などの役職に当たった人は一度読んでおくことをお勧めする。
ここにもビワマスが
午前中に歯医者を済ませて自宅でまったりしていたところ、Shige君からメッセージが入り、毎年フィールドワークをしているY川にビワマスが複数遡上しているという連絡が入った。そこで、急いで自転車をかっとばしY川へ。
ビワマスのいる場所はすぐにわかり、間近で撮影をすることができた。ペアも3組ほどおり、産卵している模様。もっと他のペアがいるかどうか探すため川沿いに歩いていくと、当のShige君と琵琶博の方に出くわした。今日は館の行事でこの辺りを散策していたら,偶々発見したとのことであった。ここでは春にビワマス幼魚を2回見つけているので繁殖していることはわかっていたが、実際に親魚が遡上しているのを見ることができて感慨ひとしおである。
ぐったり
まだ昨日の実習の疲れが取れていません。年末調整の書類を提出して会議に出て細かい用件に対応していたら一日が終わってしまいました。
川虫実習'21
今日は恒例の川虫実習でした。一昨日の降雨でいっときは20cmほど水位上昇したようですが、あっという間にもとの渇水レベルに戻ってしまいました。ともあれ、藻が少し減って河床が若干きれいになり、底生生物の採集には良いコンディションになりました(※今日の写真はすべてTAのI君撮影です)
S川はもともとI上川より水量の少ない川ですが、渇水でさらに川幅が狭まってしまい、狭いところは3mほどしかありません(普段は5〜6m)
獲物の量はまずまずだったようです。今日は小型のゲンゴロウかガムシらしい甲虫がよくとれました。
今日は実習地点でビワマスが産卵床を作っているのに出くわし、少し下流では新鮮なホッチャレも見つかりました。魚類研究者の皆さんの話では、今秋は渇水のため、全国的にアユやサケ科魚類などの産卵が遅れているそうです。このビワマスも、一昨日の天による少しの増水でようやく産卵にこぎつけたのかもしれません。
グレーとブラックの堺
昨日は大学の人権研修会で、アカデミックハラスメントの「グレーゾーン」についての講話があった。ほぼ懲戒に至ることはないが、拗らせると解決がとても面倒になるようなケースの話で、実際に学生相談するともっとも高頻度で遭遇するハラスメントレベルであるので大変参考になった。「そもそもハラスメントとはグレーゾーンのこと。黒なら犯罪」という話もあった。私も「環境研究倫理特論」で「刑法に抵触しそうなケースは大学じゃなくて警察へ」と教えている。しかし、自分が講師をつとめた研修以外で、今まで黒とグレーの境界線を説明する講師には出会ったことがない。相談員研修や学生に対する人権研修では、やはり最低限、黒とグレーの境界をきっちり教えるべきであると思うが(学生は自分の権利を、相談員は職掌範囲を自覚することになる)、どうしてだろう?「ここまでは黒じゃないから大丈夫」と知識の悪用をする人が出てきたりするのだろうか?