呼び水

一昨日そんなことを書いたせいか、今日は複数の場所で人権に関する話題を聞く羽目に(ウチの学内の話ばかりじゃないけれど)。表出の仕方はいろいろだが、大学社会の中にも、自分のしていいことと悪いことの区別が付けられない人間はどうしても一定数混じっている。そういう人を全部クビにできたら、多分5%ぐらいはポストを空けることができるんじゃないか、と昔から思っている。

あまのじゃく

現在、いつも大学院の授業で取り上げているアカハラ対策についての講義を、教員向けの事件問題研修資料として動画で学内公開しています。しかし、「こういう行為はアカハラですからしてはいけません」ではなくて「効果的なアカハラのやり方はこうです」という内容の研修ってあまりないと思います(勿論アカハラを推奨しているのではなく、一般的にアカハラと意識しにくい”学生に自己の権利を教えない”、”間違ったコンプライアンス意識を植え付ける”等の行為を取り上げて意識化し、それに対する対抗策を論じています)。今の所、学内からまだ苦情は来ていません(笑)。

キャパオーバー中

3月初頭に交流協定のあるサントトーマス大とのジョイントシンポがあるのでその準備。というか、言い出しっぺはウチの学部なのに、事務仕事をほとんどあっちのJ君やG君に任せちゃってるのでもう汗顔もの。返す返す皆様済みませぬ。でもノボシビルスクからも「論文まだ?」って催促来ているし、本当にこれに割ける時間とエネルギーがそんなにないのよ。

五里霧中

昨年、せっかく海外との共同研究費が取れたというのにコロナで渡航不能となってしまった。今年はなんとしても調査を実施したいところだが先行きは不透明。実はロシアは日本からの渡航を禁止しておらず、直前にコロナの陰性証明さえ取れれば渡航可能なのだが、もちろんあっちは人口あたり感染者数が日本のざっと10倍はある上(しかも情報の信頼性はかなり薄い)、医療事情も格段に悪いので、ワクチンも打たずにのこのこ出かけるのは自殺行為である。まあ夏までにこちらもワクチン接種ができ、ロシアもワクチン接種人口が増えて一日あたり感染者が今の1/10ぐらいまで減ればなあ、と思っていたが、この期に及んで日本が変異ウイルス対策を強化したため、先行き不透明になってきた。今のところロシアから変異ウィルスの報告はないようだが、もう時間の問題。そして、変異ウィルス流行国ということになれば、渡航は可能だが帰国後に2週間の隔離が課されることになる。そうなるとなかなか渡航する人も増えず、飛行機も飛ばないことになりそうで、どうなることか。

卒論発表会

卒論発表会でした(4年生と教員のみで対面実施)。コロナ禍で昨年春は大学への登校自体が出来ない状態で,下宿に飼育ケースを並べて昆虫を育てた人、自宅で植物を栽培してデータを集めた人、過去の卒業生のデータと比較して考察をした人、皆いろいろ苦労して工夫した卒業研究でした。打ち上げの飲み会はできませんが、例年以上にお疲れさま、と言いたいです。

今日の発表の中でとりわけ面白かったのは理論生態学の研究室の学生の発表でした。「協力の進化」に個体の移動を加えたらどうなるか、というもので、グループ内の「協力者」の比率が一定以下になると「協力者」はそのグループを去って他に移動するが,「離反者(協力をしない個体)」は基本的にいつも「協力者」より適応度が高いのでよほどのことがなければ移動しない…という仮定。何だか,どういう人がいつブラック企業を見限って転職するか、というリアルな話に直結しそうでした(なお、卒論の結果では、どのような情報を利用して所属グループを”見限る”のかによって、「協力者」ばかりの平和な企業(?)が安定解になったり、「協力者」と「離反者」が混ざりあう企業が安定解になったりするようでした)。