通勤の途中で

I上川ウォッチング。左岸側の従来の護岸の河道寄りに新しい護岸ができ、低水敷と高水敷が分断されて高水敷上面にはブロックが敷かれました。まるで駐車場にでもするのかと言わんばかりのガッチリガチガチ河川敷です。堤防の侵食防止策だそうですが、このあたりは扇状地河川なので激しい侵食と堆積が起こって当然の地形です。こうやって河川からの土砂流出を止める一方で、下流の琵琶湖湖岸は砂不足による侵食が進み、そちらでも護岸工事が進んでいます。どうにも矛盾しています。河川の土砂動態の研究をしている人はけっこういると思いますが、現場への応用はまだまだのようです。また、河畔林を後退させることによる夏場の水温上昇(特に冷水を好む生物にとっては致命的)も気になります。今年の秋の川虫実習は、改修が生態系への影響を与える調査になるかもしれません。

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フナ寄生虫リベンジ戦

今日は先月のフナ寄生虫のリベンジ戦で、隣の学科の院生M君に便乗させてもらい、湖西の生き物観察イベントに参加しました。ここで子供たちの観察用に捕まえたフナ類を譲渡していただこうという魂胆です。

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心配していた雨も降らず、大勢の親子連れの皆さんと地元のボランティアの方、水資源機構の職員の皆さん、それに県大の院生・卒業生が集まりました。

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田んぼの一部や耕作していない部分で作ったビオトープ池で院生のK君H君が採集です。ここは去年、N君がムシを採集しているまさにその場所なので,絶対にいるはず…と祈るような気持ちで見守りました。

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コイやフナ、オイカワなど50匹以上の魚が取れました。タモ一本で全長60cmはあろうかというコイをすくい上げてご満悦のH君。私もクーラーボックスにフナを詰め込んで大満足。

夕方に帰学した後、早速一部の魚を解剖してみました。案の定、ムシが出てきました。これでやっとN君の修論を完成させることが出来ます(9割方は投稿用の原稿が出来ているのですが,どうしても新しい虫体を得ての補足データが必要でした)。大きなミッションクリアです。

 

変わり種

今年も惰性のように朝顔を育てています。

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1つ,ちょっと変わった形の子葉がありました。野生型のものと比較して大きく二又に割れています。本で見ると「柳」ホモ接合の個体に似ていますが,元の変化朝顔に「柳」変異は入っていないはずなので、突然変異でしょうか。ともあれどんな花型になるか、育ててみます。「柳」ホモ接合なら采咲きになるはずです。

 

スッポンvs魚

昨日,学生実験に使った小魚がご用済みとなったのでいりませんか、という打診があった。スッポンの餌にしてもよいとのことなのでいただき、2匹ほどマルの水槽に投入してみた。新しい水槽に驚いた魚が猛スピードでぐるぐる泳ぎ廻るのは当然として、それを目にしたマルも相当驚いたらしく(なにしろ今までは水槽を独占していたのだ)、慌ただしく砂に潜ったり飛び出したり、明らかに慌てふためいた様子が何ともおかしい。これは魚を餌と認識していないかな?と思ったが、今朝になったら魚が1匹減っていたのでどうやら食べた様子。魚がいると明らかにマルのアクティビティが高いようなので(すぐに慣れるとは思うけれど)、これから時々川魚を投入してやろうかと思う。

ずっと以前の卒業生のG-mei君が営業のため来学して、ついでに久しぶりの紅茶話。

ぷりちー♡

結局、昨日も夕方まで目一杯かかって標本の計測となった。やはりこういう研究用の標本としてはヘマトキシリン染色の優秀さが明らかになる。カーミンは駄目だ(ただし微分干渉顕微鏡が使えるならこの差は縮まる)。予測していた結果とはちょっと異なり、この形質ではあまり明瞭な種間差は出ない感じである。まあ、nが増えればそうなるのは当然かな。

ロシアに送った寄生虫標本が無事到着の知らせが入った。標本を依頼してきた二人の研究者の方は早速標本を検鏡したらしく、特に大学院生の方からは「the worms are pretty」と嬉しそうなメールが来た。寄生虫屋が研究対象に恋をすることは割と普通なので(たまに論文でもノロケていたりする)、「あるある」という感じ。